CSS Nite LP, Disk 17「HTML5による電子書籍」|CSS Nite LP, Disk 18「その先にあるjQuery」を聴講した。

CSS Nite LP, Disk 17CSS Nite LP, Disk 18

過日、CSS Nite LP,Disk17及び18が開催されました。
この二つを聴講すると13:30〜20:00という長丁場になるものの、どちらも気になる内容なので参加しました。
私的意見バリバリのレポートです。
これはあくまでもワタシの主観なので、講演を受けられた方は色々と思うところもあるでしょうが、こういう見方もあるってことで。

CSS Nite LP, Disk 17「HTML5による電子書籍」については、国内での状況と実際に電子書籍と制作時のトライ&エラー、電子書籍のためのWebLayoutという事で、電子書籍にとどまらない「複数デバイスにおけるデザイン」という感じの内容でした。
本格的な電子書籍制作という点では物足りない内容ではあったかもしれませんが、電子書籍というジャンルがそれほど活用されていない雰囲気の現時点では、将来を見据えた形の今回の講演で良かったのではないかと思います。

今回、電子書籍の講演で一番期待していたのは金内 透氏の【『ナストマ・マガジン』制作のおけるトライ&エラーの共有】の一節です。

長らくデザイナーをしているにも関わらず、こう言った講演に参加していなかった理由は、非常に多忙でスケジュール調整がつかなかったところが大なのですが、もうひとつ「(持ってる案件内では)実務に取り入れることができる内容が少なかった」というところがあります。

これは、受注している案件の業界的な傾向が左右する部分があると思うのですが、保守的クライアントの承諾を得られない、制作期間がタイト過ぎて、ターゲットとなる全OS/ブラウザ上での同一閲覧の担保ができないなどの理由により、新しい技術などが使いづらい場合があったりします。
そのため、新しい技術はあえて使わず(情報自体を仕入れない事もかなりある)、古い技術を使い続ける・・ということも結構多いのです。

制作上のトライ&エラーというのは、個々で経験を積むしかないところもありますが、まったく知らないまま制作に入るのと、ひとつでも知っているとでは、その後の動きに大きな差が出ます。
制作者としては、手戻りをいかに少なくして高品質な制作物を仕上げるか、ということは非常に大事なところです。
そう言った意味で、他スピーカーの講演も非常に楽しみにしていたのですが、はっきりと「トライ&エラー」の講演である、という金内氏の講演内容は私としてはうれしい限りでした。

ちなみに、「ナストマ・マガジンvol.1」は、この記事内のリンクから見ることができます。
iPad限定なので、PCでは正しく見ることができません。iPadをお持ちの方には是非見て頂きたい。所持していない場合は、iOSシミュレーターでも閲覧可能です。
iPadを縦から横に傾けると、ちょっとした仕掛けが出てきます。こういった小さな「しかけ」が電子書籍の持ち味だと思います。紙の書籍ではできないことをやる、というのが電子書籍の使命の一つでもあるでしょうし。

デザイナーとしては、境 祐司氏の【電子雑誌のためのWeb Adaptive Layout】も絶対に外せないところ。
「ウェブマガジンと電子雑誌の違い」という部分でレイアウトが変わってくる、それはなぜか?
また、複数デバイスを見据えた場合、どのようなレイアウト調整が必要か?など、今後ますます増えるであろう、デバイス毎のレイアウト設計を考える上での重要なお話しを聞くことができました。

この講演内で「blogエントリーへのコメントが、エントリーより有益な内容であった場合、<section>でマークアップする方がよい」というような話には笑いました。エントリーより有益なコメントって(笑) 
でも、そういうblogがあった場合、<aside>ではなく、<section>でマークアップする方が文脈的に正しいというのは本当のことで、文章内の重さによって、マークアップが変わってしまうと言うのはhtml5の特性なのかもしれません。

後半はCSS Nite LP, Disk 18「その先にあるjQuery」

実際に制作されたサービスを例にjQueryの高速化と、「ポチってもうた」制作時の設計に関する考え方を題材に講演されました。

Twitterでもつぶやかれていたのですが、jQueryの高速化については、PGにとっては「知っている」もしくは「本で読んだ」という内容であり、jsに弱いデザイナーにとっては「追うのがやっと」もしくは「お手上げ」と言った内容だったようです。

すべてのデザイナーに該当することではないですが、デザイナーはスクリプト系が苦手な人が多いです。
現在所属しているシステム制作会社では「デザイナーはjsもぐりぐりかける」という都市伝説が、一部でまことしやかに流れていたようですが、それは間違いですww 少なくともワタシは無理です。

ワタシ自身が、元々建築関連のデザイナーで、webの知識等については独学+実務経験で培った(それもすべてフリーランスの一匹狼時)と言うこともあり、jsに関しては非常に弱い。また、知り合いのフリーランスにしても、jsについては弱い人が多く、知り合いの企業にしても、別途javascriptデベロッパーがいるというのがデフォルト。
もう一つおまけに語ると「PGはjsもぐりぐりかける」というのも認識違いぽいらしく、実務の環境下によっては「それほどかけない」場合もあるそうです・・ただ、彼らの「ぐりぐりかける」能力の基準がどの程度を指しているかがわからないため、おそらく、デザイナーの言う「それほどかけない」認識から見ると、とても書けると思うんですけどね。

jQuery発生以前と後では、デザイナーの作業領域は爆発的に増えたと私は思います。
以前はFlashなどで行われてきたものが、jQueryを使うことである程度実現してしまう現在、デザイナーもjsは全く書けないとは言っていられない状況に入ってきたような気がします。
そういったデザイナーが対象の場合、今回の講演「jQueryの高速化」は有益な話であったと思います。

また、「ポチってもうた」を例にリッチウェブアプリケーションの設計手法が紹介されたのですが、これはアプリケーション制作時だけではなく、cssなどの設計にも言えることだと思いました。

簡単に言ってしまうと、小さな固まりを連結して、大きな一つのサービスを作るということなのですが、この設計を使えば、何らかの問題が起きた場合、その原因が比較的見つけやすい事や、パーツごとの流用が可能であることなど、次に続くより良い制作環境を構築するという意味で、色々なものに流用できる考え方だと思います。

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個々の習熟度によって、この講演を評する言葉は様々だと思いますが、私個人としては、期待以上の講演だったと思います。

CSS Nite LP, Disk 17「HTML5による電子書籍のタイトルにもあるように、今後ますますHTML5は現場になだれ込んでくると思います(私自身はすでに実務に組み込んでいるのですが)。

電子書籍、複数デバイスの対応など、物作りの世界はますます広がり、デザイナーと呼ばれる人たちも、今まで以上の技術と知識が必要になってきました。
まあ、私は毎年「これ以上覚えられない!おなかいっぱいいいい!」って叫んでいるんですが。
かれこれ10年強、叫んでますね ウワァァァァァァヽ(`Д´)ノァァァァァァン!

今後、国内の電子書籍市場はどうなるのか?スマートフォンやフィーチャーホンのユーザー数はどう推移していくのか?などなど、制作をするうえで色々と動向が注目されますが、「はらいっぱい!もう、無理。絶対無理!」とかいいつつ、別腹対応で情報収集していくしかないのでしょうね・・・・と黄昏れてみるorz….

嗚呼。
それにしても長い記事だ。
途中まで書いて「ふたつに分ければ良かったorz…」とか思いつつ、ながなが・ずるずる書いてみた( ̄▽ ̄;)

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